キャットフードには代えられない!猫に優しくない「ねこまんま」

現在は当たり前のように猫専用のご飯がありますが、キャットフードが普及するまでは、どの飼い猫も「ねこまんま」を食べていました。昭和の時代ではねこまんまがスタンダードだったのです。

 

ペットフードの進化と比例するかのように、猫たちの寿命も年々延びています。その反面、成人病や悪性腫瘍など、人間と同じような病気にかかる割合も随分と増えました。長寿命化に伴うものか、ペットフードの添加物が原因なのか、様々な憶測が飛び交う中、愛猫家たちの間では手作りご飯の人気が高まっています。

 

手作りご飯がOKならねこまんまも大丈夫なような気もしますが、そもそも猫に人間の食べ物をあげてはいけないものなのでしょうか。今回はそんなねこまんまの話をしたいと思います。

 

 

昔の猫は残飯を食べていた

白米に味噌汁や出汁を取った後の煮干し、かつお節、魚の骨などを混ぜた残飯が「ねこまんま」です。その日のメニューによって多少の変化はあったでしょうが、どの家庭で飼われている猫も同じようなものを与えられていました。近年では猫の知識が浸透したためかなり減りましたが、50年ほど前の日本ではごく当たり前のことでした。

 

肉食動物の猫にとって、ねこまんまでは充分な栄養を摂ることはできません。それでも猫たちが生きていられた理由は、飼育スタイルにあります。昔の猫は外に自由に出て、昆虫や小動物などを狩って食べていました。半分野良猫のような放し飼いだったので、外出時に栄養を補っていたのです。

 

道路整備に伴い交通量も増えた結果、現代では完全室内飼いが標準になりました。当時のねこまんまを再現してみても、タンパク質と脂質の不足、糖分と塩分の過剰摂取となり、必要な栄養分を得ることはできません。

 

 

肉食動物は炭水化物が苦手

ねこまんまの大半を占める白ご飯は炭水化物です。猫は動物性タンパク質を消化する能力に長けていますが、炭水化物の分解が苦手な動物です。

 

私たち人間は唾液の中にあるアミラーゼという消化酵素で、白米をでんぷんとブドウ糖に変えることができます。猫の唾液にはそれがなく、膵液に含まれるアミラーゼで分解することになります。しかしもともとの能力が低いため、炭水化物の摂取が続けば膵臓への負担も大きくなり、膵炎や糖尿病などを誘発させる危険性があります。

 

白米以外にもデメリットはあります。味噌汁の具の定番ともいえるネギは、赤血球のヘモグロビンを破壊する「硫黄化合物」を持ち、重度の貧血や胃腸障害の原因となります。ミネラル成分の多いかつお節は結石や腎不全に、煮干しなどの青魚は大量摂取すると、皮下脂肪が炎症を起こすイエローファットという病気の元になります。

 

これら栄養学的観点から見て、ねこまんまが猫にとって有害であったことは確実と言えるでしょう。

 

 

人間の食べ物は絶対NG

動物性タンパク質のみだけ摂ればいいかと言えば、それも違います。かつて猫の主食だった小動物は草や穀物を食べていたため、ネズミなどにも炭水化物が含まれています。一匹あたりおよそ10%未満と非常に少ないですが、立派な栄養源だったのです。

 

ネコ草はイネ科ですし、米が害にはなることもありません。生米の消化は不得意ですが、しっかり加熱してアルファ化された白米は猫も消化できます。穀物類の中でもアレルギーになりにくく嗜好性も高い白米は、ナトリウムやタンパク質の量を下げるために腎臓の配慮食に用いられることもあります。要はバランスです。多すぎても少なすぎても毒になり得ます。

 

人間の食べ物は、基本的に猫の健康を害します。それを常食とするなんて言語道断、もし知らずに食べさせている人がいたら是非教えてあげてください。

 

猫のために作るねこまんまは、知識を持って適切に作れば究極の安全フードになります。ただ猫にあげてはいけない食べ物の知識が必要ですし、手間と時間もかかるため強くおススメはできません。時々作ってあげるの分には、飼い主にとっても気軽にできていいでしょう。愛猫の寿命を左右する毎日のご飯ですから、少しでも安心して与えられるものがいいですね。

 



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