キャットフードだけじゃ栄養不足?猫と野菜の気になる関係
キャットフードだけでは栄養が足りないような気がして、野菜を食べさせた方がいいか迷うことはありませんか?
猫に野菜が必要か不必要かは意見が分かれるところですが、手作りごはんのレシピを見ると野菜をたっぷり使ったものも多く見かけますよね。実際のところ、栄養面や健康上の問題はどうなのでしょうか。そんな猫と野菜の関係性について見ていきたいと思います。
野菜が猫にもたらす影響とは
結論から言えば、猫は野菜を食べなくても問題ありません。必要な栄養素はすべて肉から摂取できます。むしろ猫の消化器官は植物の消化に不向きで、糖質の代謝も苦手です。野生で生きる猫は小動物の胃の中に入っている未消化の植物も食べますが、ごく少量で充分なのです。
猫草を食べるから雑食と勘違いする人もいるかもしれませんが、グルーミングで飲みこんだ毛を吐くために食べているのであって、栄養を得るためではありません。
ただ最近の研究では、野菜の食物繊維が猫の腸内環境を整えることが判明しています。猫草などを定期的に与えられない場合は、毛玉排出などにも効果的と言えるでしょう。水分も摂れるので、普段あまり水を飲まない猫にもお勧めです。また抗酸化物質や酵素、ミネラルなども豊富なので、サプリメントだけでは補えない栄養素も取り入れることができます。
ただしお腹を壊したり、繊維の多い野菜で便に匂いがきつくなることもあるので、与える際は少量を心がけてください。
猫が食べると危険な野菜
一口に野菜と言っても、中には猫にとって危険な毒性をもつ野菜も数多くあります。猫には要注意の野菜は知っていて損はしません。とくに危険性の高い野菜をまとめているので、よく覚えておいてくださいね。
ユリ科の植物
長ネギや玉葱など、ネギ類を猫に食べさせていけないことは有名ですが、これらを含むユリ科の植物全般が危険であることはあまり知られていません。ネギ類をはじめニラ、ニンニク、ラッキョウ、ユリ根、アスパラガスなども含まれ、花ではユリ、スズラン、チューリップ、ヒヤシンスなどが当てはまります。犬にも厳禁ですが、猫の方が危険度が高いと言われています。
ユリ科に潜むアリルプロピルジスルファイドなどの成分がヘモグロビンを酸化させ、赤血球が破壊される溶血性貧血が引き起されます。中毒症状は衰弱、血尿、胃腸障害、最悪の場合死に至ることもあります。野菜によって成分含有量が異なるため危険度に差はありますが、加熱しても毒性は消えません。ネギなどが入った料理やエキスが出ているものも危険ですし、調理道具を洗わずにそのまま猫のごはんを作るのもアウトです。
ナス科の植物
ナス、トマト、ピーマンなどのナス科にはアルカロイドという成分があり、ジャガイモの発芽部分に含まれるソラニンや、熟す前のトマトに含まれるトマチンもこの一種です。熟した実の部分であれば毒性はほぼないとされていますが、葉や茎、花などには虫から身を守るため大量に含有しています。
この成分は神経ホルモンによく似ているため、神経線維の末端に入り込むのが特徴です。中枢神経を侵し、大脳興奮作用や呼吸興奮作用をもたらします。食後数時間で下痢や嘔吐、血便、呼吸困難、麻痺、痙攣、神経障害などの中毒症状が表れます。可食部であれば毒性は低いものの、できることなら摂取しない方が無難でしょう。
ほうれん草/セロリ/春菊
アクが出る野菜にはシュウ酸が豊富に含まれており、多量に摂取するとカルシウムの吸収が阻害されてシュウ酸カルシウム結石となります。一度形成されると再発しやすく、食事療法だけで溶かすことはできません。
結石症になると嘔吐、排尿痛、頻尿、血尿、尿道閉塞、重症になると尿毒症を併発することもあります。シュウ酸はアク抜きすることで減らすことはできますが、完全に取り除くことはできません。猫に食べさせないことが一番です。
アボカド
果実や種の中身、葉、樹皮に含まれるペルジンは殺菌作用があり、中毒症状を引き起こします。一般的にスーパーなどで売られているグアテマラ種はペルジンの含有量が非常に多く、他の動物にとっても毒になる成分と言われています。下痢、嘔吐、胃腸炎、痙攣、呼吸困難などが主な中毒症状です。
アボカドを材料にしたキャットフードもありますが、ペルジンの少ないアボカドを材料としているため健康を害することはないそうです。しかしアボカドの品種や使用量、加工方法など不明な点が多く、メーカー以外が安全と言い切れない商品であることは確かです。
野菜は必要不可欠ではない
猫に与えやすい野菜もいくつかあります。サツマイモやジャガイモなどの芋類はグレインフリーキャットフードの材料にも使われていますし、カボチャも嗜好性が高く水溶性繊維がたっぷり含まれていて便秘に効果的です。
しかし猫はセルロースを分解して栄養にする酵素を持っておらず、食べ過ぎると消化不良の原因となります。食べさせたい場合は、細かく刻んだものを少量だけキャットフードにトッピングして与えましょう。
野菜を茹でるか生で与えるか、これにも賛否両論あります。茹でることで消化吸収を助けるという人もいれば、加熱によりシュウ酸が変質して結石になりやすいという意見も目にします。猫に野菜を摂らせるようになったのもここ数年の話ですし、どちらが正しいか判断するのが難しいのというのが現状です。少しでも気になる人は、シュウ酸の多い葉野菜を避けるのが得策かもしれません。
植物は昆虫などから身を守るため、何かしらの毒を必ず持っています。そのため高齢猫や虚弱体質など、解毒作用や抵抗力が充分でない猫には細心の注意を払わなければなりません。基本的に総合栄養食のキャットフードを食べていれば、必要な栄養バランスは摂取できます。
猫の食事に対する考え方は人それぞれですが、野菜はとくに与えなくてもいいもの、ということを頭の片隅にとどめておいてください。
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- 副産物
- キャットフードに含まれる副産物は人間が食べられない骨や内臓などです。ミールやエキスなどは羽、毛、皮、くちばちし等をすりつぶしたり、粉末状にしてあります。全てが危険という訳ではありませんが、原材料はしっかり確認することが愛猫の健康に大事です。
- 増粘多糖類
- 増粘多糖類は食品の粘り気を増すための添加物で、ウェットフードに多く含まれています。天然成分で作られているものは健康被害がないと考えて問題ありませんが、人工的に作っているメーカーもあるので原材料チェックは大事です。
- リン
- 猫がキャットフードでリンを過剰に摂取すると腎臓病(腎不全)になるリスクが高まります。またカルシウムとのバランスが崩れることで尿路結石になる可能性もあります。しかしリンは必要な成分なので、バランスのよいキャットフード選びが大事です。
- ナトリウム
- 猫にとって塩分は大切な栄養源ですが、ナトリウムのとりすぎは腎臓病や高血圧などのリスクがあります。ナトリウム不足になると食欲不振や発育の遅れなどがあります。1日の塩分の量を適切に守ることで健康維持ができます。
- タウリン
- キャットフードに含まれるタウリンは猫に必要不可欠な成分です。猫はタウリンを体内で生成できないのでキャットフードから摂取しなければなりません。タウリンが足りないと様々な病気を併発するので注意が必要です。
- 粗灰分と粗繊維
- キャットフードの保証分析値にある粗灰分と粗繊維について解説します。祖灰分は食品を燃やしたときに灰として残ったミネラル分のことです。粗繊維は酸とアルカリで抽出後に残った不溶性食物繊維のことで、便を増やして固くする働きがあります。
- エトキシキン
- キャットフードに含まれるエトキシキンは猫にとって危険な添加物です。ペットの食糧への添加は許可されているものの、犬や猫の癌の一因になっている可能性があります。エトキシキンが添加されていない安全なキャットフードを飼い猫に与えることをおすすめします。
- ゼオライト
- キャットフードに含まれるゼオライトの効果と、ゼオライトが配合されているキャットフードの紹介をしています。ゼオライトは食品添加物として認可されています。猫用としては腎臓ケアとして療法食に使用されています。副作用はありませんが、与えすぎは禁物です。
- トウモロコシ
- トウモロコシは安価で満腹感が得られるのでキャットフードに含まれることが多いです。コーングルテンなども同じです。トウモロコシは穀物アレルギー、下痢や嘔吐の原因になる可能性があるので、飼い猫の状況をよく考えてキャットフードを与えることが大事です。
- ラム肉
- ラム肉栄養バランスが良く、脂肪燃焼や脂肪燃焼や抗酸化作用があります。そのためラム肉を主原材料としたキャットフードは肥満気味の猫にお勧めです。ただ一般的なキャットフードよりも高額になります。
- 馬肉
- 馬肉はカルシウム、鉄分、ビタミン類が豊富に含まれており、低カロリー高たんぱく質なので猫の餌として優れた食材です。通販で購入できる馬肉入りのおすすめキャットフードや、飼い猫に与える際の注意点をまとめました。
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