腎不全の救世主!?ゼオライト配合のキャットフードの効果とは?
ゼオライトとは沸石類と呼ばれる鉱物の総称です。火山灰が何百万年という月日をかけて結晶化したもので、18世紀のアイスランドで発見されました。加熱すると水分が蒸発して沸騰して見えることから、ギリシャ語で「沸騰zeo」「石lite」という意味からゼオライト(沸石)と名付けられました。日本各地でも採取でき、天然以外では人工ゼオライトと合成ゼオライトがあります。
主成分はアルミニウムとケイ素で、多孔質構造と呼ばれる特殊な構造を持っています。拡大するとスポンジのように小さな空洞がいくつもあるのが特徴です。これらの成分や特殊な構造によって防臭、除湿、土壌や水質の浄化など、多岐にわたって効果を発揮しているのです。
ゼオライトは食べても安全?
アクアリウムや猫用トイレの砂、また住宅用の資材など幅広い用途に用いられているゼオライトですが、厚生労働省から食品添加物としても認められています。ゼオライトの種類にもよりますが、人間用のサプリメントや家畜の飼料に添加されることが多く、安全性が高いとされています。
またマグネシウムやリンなどのミネラル、アンモニア、老廃物も吸着させることから、犬や猫のペットフードにも配合されています。有害物質を腎臓が濾過する前に吸着させることで、腎臓の負担を減らすのが狙いとされています。
ゼオライト配合のキャットフード
種類は多くありませんが、ゼオライトを原材料に取り入れているキャットフードもあります。いくつかある中から2種類をご紹介します。
ネイチャーズプロテクション インドア1歳以上
日本に上陸したばかりであまり耳馴染みのないブランドですが、このフードを手掛けるKIKA GROUPは本国でシェア70%を誇るほど実力ある企業です。材料の安全性や品質管理などを重視し、美味しさと健康の両立をコンセプトにつくられています。
ラインナップは年齢別だけでなく、長毛用、尿管サポートなど全部で7種類あります。アレルゲンのない「クリノプチロライト」というゼオライトを改良し、より安全性を高めた「マイクロゼオゲン」を全てのタイプに使用しています。こちらは1歳以上の室内飼育の猫対象で、肥満や毛玉排出に配慮されています。米やトウモロコシが若干気になりますが、穀物類はリトアニア産でまかなわれています。
>>ネイチャーズプロテクションの評判と口コミ
原材料:家禽ミール(鶏、七面鳥)、米、トウモロコシ、コーングルテン、動物性油脂、ビートパルプ、セルロース、ビール酵母、フィッシュミール、ゼオライト、乾燥卵、チコリ抽出物、マンナンオリゴ糖、ユッカ抽出物、マリーゴールドミール
成分:水分6.3%以下、タンパク質29%以上、脂質12%以上、灰分6%以下、粗繊維4%以下
カロリー:343.2kcal/100g
内容量:400g / 2kg
原産国:リトアニア
ロイヤルカナン 猫用 腎臓サポート ドライ
ドライとウェットどちらも含む、腎臓サポートシリーズ全てにゼオライトが配合されています。タンパク質やリンの含有量に配慮した、慢性腎不全用の療法食です。猫好みの香りで食欲を刺激するので、比較的食いつきも良いようです。ただ肉類が少なく、危険とされているBHAや没食子酸プロピルが酸化防止剤に使われていたりと、原材料に懸念があります。また療法食になるため、獣医師が判断した上で給餌してください。
ちなみに原産国について「フランスから韓国に変わるのでは」と言った話を耳にしたので、メーカーに問い合わせてみました。韓国工場での生産は2018年頃から開始されるそうで、日本向けの製品はその工場からの輸入は予定していないそうです。将来的に日本市場に出回ることがあれば、メーカーが事前に発表するようです。
原材料:コーンフラワー、米、動物性油脂、超高消化性小麦タンパク、大豆分離タンパク、植物性繊維、コーン、コーングルテン、加水分解動物性タンパク、チコリーパルプ、肉類(鶏、七面鳥)、魚油、大豆油、フラクトオリゴ糖、サイリウム、マリーゴールドエキス、アミノ酸類、ゼオライト、ミネラル類、ビタミン類)、乳化剤、酸化防止剤
成分:水分6.5%以下、タンパク質21.0%以上、脂質15.0%以上、粗繊維5.7%以下、粗灰分6.3%以下
カロリー:392kcal/100g
内容量:500g / 2kg / 4kg
原産国:フランス
ゼオライト配合のキャットフードは腎不全に効果あるのか
東日本大震災以降、ゼオライトの特性である吸着効果が放射性物質にも効果があると話題になりましたが、その効果のほどについては賛否両論あります。しかし先述で挙げたロイヤルカナンは腎臓用療法食として動物病院でも処方されており、信憑性はあると考えられます。
ただし、ゼオライトには副作用がないと言われていますが、大量摂取はいけません。体にとって必要なミネラル分まで吸着してしまうことがあるからです。キャットフードの場合は適量を与えていれば問題ありませんが、ゼオライトを含むサプリメントを与える際は必ず規定量を守ってください。また体質によってはアレルギーのような症状が出る可能性もあるため、体があまり丈夫でない猫には注意して与えましょう。
猫は人間のように透析ができないのが現状です。だからこそ腎不全の愛猫を抱えている飼い主にとって、試す価値があるのではないでしょうか。少しでも病気の進行を遅らせる可能性を見出せるかもしれません。
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- 副産物
- キャットフードに含まれる副産物は人間が食べられない骨や内臓などです。ミールやエキスなどは羽、毛、皮、くちばちし等をすりつぶしたり、粉末状にしてあります。全てが危険という訳ではありませんが、原材料はしっかり確認することが愛猫の健康に大事です。
- 増粘多糖類
- 増粘多糖類は食品の粘り気を増すための添加物で、ウェットフードに多く含まれています。天然成分で作られているものは健康被害がないと考えて問題ありませんが、人工的に作っているメーカーもあるので原材料チェックは大事です。
- リン
- 猫がキャットフードでリンを過剰に摂取すると腎臓病(腎不全)になるリスクが高まります。またカルシウムとのバランスが崩れることで尿路結石になる可能性もあります。しかしリンは必要な成分なので、バランスのよいキャットフード選びが大事です。
- ナトリウム
- 猫にとって塩分は大切な栄養源ですが、ナトリウムのとりすぎは腎臓病や高血圧などのリスクがあります。ナトリウム不足になると食欲不振や発育の遅れなどがあります。1日の塩分の量を適切に守ることで健康維持ができます。
- タウリン
- キャットフードに含まれるタウリンは猫に必要不可欠な成分です。猫はタウリンを体内で生成できないのでキャットフードから摂取しなければなりません。タウリンが足りないと様々な病気を併発するので注意が必要です。
- 粗灰分と粗繊維
- キャットフードの保証分析値にある粗灰分と粗繊維について解説します。祖灰分は食品を燃やしたときに灰として残ったミネラル分のことです。粗繊維は酸とアルカリで抽出後に残った不溶性食物繊維のことで、便を増やして固くする働きがあります。
- エトキシキン
- キャットフードに含まれるエトキシキンは猫にとって危険な添加物です。ペットの食糧への添加は許可されているものの、犬や猫の癌の一因になっている可能性があります。エトキシキンが添加されていない安全なキャットフードを飼い猫に与えることをおすすめします。
- トウモロコシ
- トウモロコシは安価で満腹感が得られるのでキャットフードに含まれることが多いです。コーングルテンなども同じです。トウモロコシは穀物アレルギー、下痢や嘔吐の原因になる可能性があるので、飼い猫の状況をよく考えてキャットフードを与えることが大事です。
- ラム肉
- ラム肉栄養バランスが良く、脂肪燃焼や脂肪燃焼や抗酸化作用があります。そのためラム肉を主原材料としたキャットフードは肥満気味の猫にお勧めです。ただ一般的なキャットフードよりも高額になります。
- 馬肉
- 馬肉はカルシウム、鉄分、ビタミン類が豊富に含まれており、低カロリー高たんぱく質なので猫の餌として優れた食材です。通販で購入できる馬肉入りのおすすめキャットフードや、飼い猫に与える際の注意点をまとめました。
- 乳酸菌
- 乳酸菌が猫の慢性腎不全や腎臓病に効果的とされるメカニズムを解説します。また乳酸菌配合のキャットフードからおすすめのブランドを紹介します。
- 野菜
- 猫に食べさせるキャットフードと野菜の関係を解説しています。猫は肉食なので野菜を食べる必要はありません。逆に下痢になったり、危険な植物もあります。基本的には猫に総合栄養食を与えていれば大丈夫です。
- 肉と魚どっちが好き?
- 猫は魚が好きというイメージがありますが、本来は陸上に生息する肉食動物なので肉を食べる必要があります。肉と魚の栄養素をいいとこどりしたおすすめのキャットフードを紹介するほか、肉を与える際の注意点もまとめました。