キャットフードに塩分は御法度か?ナトリウムの猫への影響

キャットフードの原材料に「食塩」や「醤油」の文字を見たことはありますか?知らずに発見したらかなりビックリしますが、じつはそんなに珍しいことではなく、塩分は猫にとって大事な栄養源なのです。

 

たしかに猫は腎臓に負担がかかりやすい動物なので、ナトリウムの摂取量には注意が必要です。取扱い注意なのに必須栄養素って、ちょっと厄介な存在ですよね。でもナトリウムの働きや必要な量を知っていれば、そんなに怖がることはありません!上手に使って賢く愛猫の健康を守りましょう。

 

塩分=ナトリウムではない!

塩分とナトリウム、じつは同じ物質のようでまったく違うものってご存知でしたか?

 

ナトリウムは必須ミネラルのひとつで、元素記号はNaで表します。それに対して塩分は、ナトリウムと塩化イオンが結合した塩化ナトリウムのことを指し、元素記号はNaClとなります。したがってナトリウムとは、塩分に含まれる成分の一部のことなのです。そして健康に影響を及ぼすのは、このナトリウムの部分とされています。

 

2015年に施行された食品表示法により、それまで表示義務だったナトリウム量が食塩相当量で表記されるようになりました。しかしこれは人間用の食品の話なので、キャットフードの塩分量を知りたいときは計算しなければいけません。

 

ナトリウムから塩分の量を割り出すときは「Na(mg)×2.54/1000」で計算します。この2.54という数値の根拠は分子量から割り出されており、「Na(23)+Cl(35.5)/Na(23)=2.5434782」となっています。この計算式から、塩分の約40%がナトリウムということが分かりますね。

 

ちなみにナトリウムは英語ではありません。英語表記の場合、アラビア語のsoda(ソーダ)を語源とした「sodium」となります。海外製のフードに配合されているナトリウム量を確認したいときは、成分表示欄から「sodium」の文字を探しましょう。

 

 

カリウムあってのナトリウム

人間も猫も体の半分以上は水分でできています。細胞の外側にはナトリウム、内側にはカリウムがあり、この2つがお互いに水分バランスを維持して細胞の代謝をサポートしています。体液の水分量や浸透圧、ph値の調節、神経組織の情報伝達、筋肉の収縮、栄養素の消化吸収など、様々な働きを担っています。

 

ナトリウムを長期的に過剰摂取すると、腎臓病や心臓の疾患、高血圧など、人間と同じように生活習慣病に罹りやすくなります。急性症状としては、下痢、嘔吐、発作などを引き起こします。水槽の塩水を飲んだり、子供用の粘土を食べてしまうなど、思いもよらぬことが原因となるようです。重篤になりやすいため、ただちに病院へ連れて行きましょう。

 

逆に慢性的なナトリウム不足になると、食欲不振、疲労、脱毛、発育の遅れ、副腎皮質の機能不全に繋がります。急性の場合は失神やめまいなどの症状を伴うことがあります。

 

AAFCO(米国飼料検査官協会)は猫の1日あたりの摂取量について、100kcal中の最少必要量をナトリウムは50mg、塩分は75mgと発表しています。

 

ここで忘れてはいけないのは、ナトリウムとカリウムは相互に作用しあっているということです。ナトリウムとカリウムの比率は1:1〜1:2が推奨されており、ナトリウムの方がやや多めに設定されています。過剰なナトリウムはカリウムと結合し、尿となって排出されます。

 

 

「そんなに要らないけどちょこっと必要」でOK

猫にとってナトリウムは大切な栄養素です。肉食動物は塩分を摂らないから猫にもいらないという意見もありますが、獲物の血液や内臓からナトリウムを摂取しています。

 

一般的に不足することは稀ですが、手作りご飯を与えている場合は0.2%を下回ることがあるので注意しましょう。ワカメなど海藻類のナトリウム含有量は割と多めですが、カリウムとの比率が1:1にも達しません。

 

食材のみで必要量を補おうと思うとなかなか大変なので、缶詰と同じように醤油や味噌などをほんの少し入れてナトリウム量を調節するケースもあります。栄養計算や専門の知識が不可欠ですので、手作りご飯にチャレンジする場合は必ず厳密なリサーチをしてから行いましょう。

 

またキャットフードやオヤツには意外と塩分が多く、知らず知らずのうちに過剰摂取になりやすいのがネックです。まずはいつも与えているフード類のナトリウム量をチェックしてみてください。

 

中でもドライフードは、ウェットフードよりもナトリウムが多めです。これは保存のしやすさや、飲水量を増やすことが目的なのです。原材料に「○○ナトリウム」とあれば、それは塩分です。何かしらの疾患があればナトリウムは禁忌ですが、健康であるなら摂りすぎも摂らなさすぎも体に毒なのです。

関連ページ

副産物
キャットフードに含まれる副産物は人間が食べられない骨や内臓などです。ミールやエキスなどは羽、毛、皮、くちばちし等をすりつぶしたり、粉末状にしてあります。全てが危険という訳ではありませんが、原材料はしっかり確認することが愛猫の健康に大事です。
増粘多糖類
増粘多糖類は食品の粘り気を増すための添加物で、ウェットフードに多く含まれています。天然成分で作られているものは健康被害がないと考えて問題ありませんが、人工的に作っているメーカーもあるので原材料チェックは大事です。
リン
猫がキャットフードでリンを過剰に摂取すると腎臓病(腎不全)になるリスクが高まります。またカルシウムとのバランスが崩れることで尿路結石になる可能性もあります。しかしリンは必要な成分なので、バランスのよいキャットフード選びが大事です。
タウリン
キャットフードに含まれるタウリンは猫に必要不可欠な成分です。猫はタウリンを体内で生成できないのでキャットフードから摂取しなければなりません。タウリンが足りないと様々な病気を併発するので注意が必要です。
粗灰分と粗繊維
キャットフードの保証分析値にある粗灰分と粗繊維について解説します。祖灰分は食品を燃やしたときに灰として残ったミネラル分のことです。粗繊維は酸とアルカリで抽出後に残った不溶性食物繊維のことで、便を増やして固くする働きがあります。
エトキシキン
キャットフードに含まれるエトキシキンは猫にとって危険な添加物です。ペットの食糧への添加は許可されているものの、犬や猫の癌の一因になっている可能性があります。エトキシキンが添加されていない安全なキャットフードを飼い猫に与えることをおすすめします。
ゼオライト
キャットフードに含まれるゼオライトの効果と、ゼオライトが配合されているキャットフードの紹介をしています。ゼオライトは食品添加物として認可されています。猫用としては腎臓ケアとして療法食に使用されています。副作用はありませんが、与えすぎは禁物です。
トウモロコシ
トウモロコシは安価で満腹感が得られるのでキャットフードに含まれることが多いです。コーングルテンなども同じです。トウモロコシは穀物アレルギー、下痢や嘔吐の原因になる可能性があるので、飼い猫の状況をよく考えてキャットフードを与えることが大事です。
ラム肉
ラム肉栄養バランスが良く、脂肪燃焼や脂肪燃焼や抗酸化作用があります。そのためラム肉を主原材料としたキャットフードは肥満気味の猫にお勧めです。ただ一般的なキャットフードよりも高額になります。
馬肉
馬肉はカルシウム、鉄分、ビタミン類が豊富に含まれており、低カロリー高たんぱく質なので猫の餌として優れた食材です。通販で購入できる馬肉入りのおすすめキャットフードや、飼い猫に与える際の注意点をまとめました。
乳酸菌
乳酸菌が猫の慢性腎不全や腎臓病に効果的とされるメカニズムを解説します。また乳酸菌配合のキャットフードからおすすめのブランドを紹介します。
野菜
猫に食べさせるキャットフードと野菜の関係を解説しています。猫は肉食なので野菜を食べる必要はありません。逆に下痢になったり、危険な植物もあります。基本的には猫に総合栄養食を与えていれば大丈夫です。
肉と魚どっちが好き?
猫は魚が好きというイメージがありますが、本来は陸上に生息する肉食動物なので肉を食べる必要があります。肉と魚の栄養素をいいとこどりしたおすすめのキャットフードを紹介するほか、肉を与える際の注意点もまとめました。