猫が避妊後に太りやすくなる理由とキャットフードの選び方

避妊手術は猫の室内飼いと共に、世間一般に広く浸透しました。望まない妊娠や猫エイズの蔓延を防ぐだけでなく、乳腺や卵宮、卵巣などに起こるメス特有の病気を予防することもできるので、獣医師さんから勧められた人も多いのではないでしょうか。

 

でも手術した後は太るってよく耳にしますが、どうしてなんでしょう?そんな避妊後に猫の体に起きる変化や最適なキャットフード、そして肥満を防止するための方法などについてお話したいと思います。

 

 

猫が太る理由とそのメカニズム

動物にとって生きていくうえで欠かすことのできない食欲と生殖の2つの本能です。中でも生殖器の機能を維持させるため、動物たちはかなりのエネルギーを使っています。特にメスは、全体における3割ものパワーを生殖本能にあてているそうです。

 

まず脳が性ホルモンを分泌するよう卵巣に働きかけ、性衝動を生み出させます。性的な欲求不満が怒りの感情を誘発させるこの性ホルモンは、かなりのストレスをメス猫に与え、同時に消費カロリーも多くなります。

 

卵巣を摘出すれば性ホルモンが分泌されなくなるため、まず発情にかかるストレスがなくなります。さらにその分カロリーが消費されなくなり、今までと同じキャットフードを同じ量だけ食べていると自ずと太るというわけなのです。

 

 

肥満にならないためのキャットフード選び&与え方

すぐにキャットフードを変えるべきか悩むかもしれませんが、術後はストレスで体調を崩しやすい時期でもあります。切り替える際は様子を見ながら、1か月ほど時間をかけて慣らしてあげましょう。またすべての猫が太るというわけでもなく、食欲に変化のない猫もいます。そういった場合はとくにキャットフードを変える必要はありません。

 

避妊の時期からいって子猫用のフードをあげている人も多いと思いますが、子猫用はカロリーたっぷりです。成長期なので少々食べ過ぎても問題はありませんが、明らかに太ってきたときは10〜30%ほど減量しましょう。通常の成猫用のフードにするかダイエットフードにするかは、1歳になるまでに見極めればいいでしょう。肥満対策はとにかく低脂質と低カロリーです。ダイエット用だけでなく避妊後専用のフードもあるので、まずは小さいサイズで猫の好みを色々試してみるのもいいですね。

 

また日頃から運動させるのも大切です。キャットタワーや家具の位置を工夫して、上下運動できるような環境をつくってあげるのもおすすめ。術後は甘えん坊になる猫も多いので、遊ぶ機会を増やして喜ばせてあげましょう。一度太ってしまうと元に戻すのは至難の業。体調と同時に体重もしっかりチェックしてあげてください。

 

 

そもそも避妊は必要なのか

「自然の摂理に反するから」「健康なのにお腹を切るなんて可哀想」といった理由から避妊や去勢をためらう人はまだまだいます。確かに避妊手術は全身麻酔のリスクがありますが、将来的に命にかかわるような重篤な病気にかかる可能性を考えれば、どちらが猫にとって負担が少ないかは明白ではないでしょうか。

 

まず猫を飼育していること自体が、自然ではありません。発情期になると日夜問わず鳴き続け、猫も人間もお互い抱えるストレスは相当なものになります。予期せぬ妊娠に見舞われた場合、その子猫を一緒に育てる覚悟はできているのでしょうか。完全室内飼いであっても可能性はゼロではありません。

 

避妊や去勢手術は猫の体にとってメリットになります。一時の感情で避妊を先延ばしにすれば、いつか後悔することになるかもしれません。しかし病気と違って、肥満はキャットフードや運動量で管理することができます。愛猫の命を預かっている以上、病気を含めた体調管理までが飼い主の責任なのです。

 



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尿路結石
猫の尿が酸性またはアルカリ性になると結石ができるのが尿路結石です。膀胱や尿道を傷つけるだけでなく、尿道閉塞になって死に至る危険性もあります。pHコントロール系のキャットフードや水を与えることで改善します。
便秘
水をあまり飲まない猫は便秘になりやすい傾向があります。食物繊維が豊富に含まれている毛玉ケア用キャットフードを与えたり、ブラッシングをすることで便秘の予防になります。
腎臓病
猫は人間ほど腎臓が強くないので、高齢になると腎不全などの病気を発症しやすいです。腎臓病になった場合は獣医師の指示のもとロイヤルカナンやプリスクリプション・ダイエットなどの療法食を与えましょう。
毛玉
猫はグルーミング(毛づくろい)をすることで毎日一定の毛が胃の中に入り込みます。少量であれば糞とともに排泄されますが、量が多すぎると吐き出していまします。そのため毛玉ケア(ヘアボール)コントロールキャットフードがあります。
吐く
猫が吐く原因の多くは毛玉ですが、キャットフードの成分にアレルギー反応を示したり、餌の切り替えがうまくいかなかった可能性もあります。しかし重大な病気の危険性もあるので、症状によっては獣医師に相談することも考えましょう。
膀胱炎
猫の膀胱炎は感染、尿路結石が主な原因です。突発性膀胱炎もあり、ストレスや肥満、キャットフードが原因となる場合もあります。再発予防のために、クランベリーやオメガ3脂肪酸などが入っていてpHコントールに優れたキャットフードがおすすめです。
デンタルケア
飼い猫の多くが患っている歯周病は、口臭や嘔吐などの症状を伴います。悪化すると心臓や肝臓、腎臓などにも障害がでます。猫の歯周病予防には定期的な歯磨きやデンタルケアキャットフードが効果的です。また毎日のチェックを欠かさないことも大事です。
抜け毛
猫は3月と11月に換毛期が来るので、毛づくろいによって毛玉がたまりやすくなります。その結果、食欲不振や吐き気、下痢、便秘、呼吸困難になることもあります。毛玉ケア用キャットフードは食物繊維が豊富ですが、フードだけに頼らず毎日のブラッシングも大事です。
フケ
猫のフケ対策は毎日のブラッシングが効果的です。お風呂に入れたらしっかり乾燥させることが大事です。フケ対策のキャットフードはオリジンとFORZA10です。症状が重い時は動物病院に連れて行きましょう。
肥満
猫の肥満は脂肪肝や心筋症などの病気を発症するリスクがあります。肥満猫に適したキャットフードは高たんぱく質な餌です。低カロリーでダイエット向きのキャットフードは消化不良になる可能性があります。給餌の工夫と運動で、長期的な視点で肥満を解消させましょう。
妊娠
妊娠中の猫は通常の1.5倍程度のカロリー摂取が理想的です。タンパク質、カルシウム、ビタミンが豊富に含まれる妊娠中におすすめのキャットフードを紹介します。
体臭
猫の体臭の原因とキャットフードでできる対策をまとめました。副産物やミールなどキャットフードに含まれる脂質やたんぱく質の品質が悪いと体臭がきつくなることがあります。また病気や体調不良のサインである可能性もあるので飼い猫の健康チェックは大事です。
癌細胞は日々つくられ、免疫細胞によってその都度撃退されています。しかし加齢やストレスなどが原因で悪性腫瘍へと成長します。重要なのは免疫力を高めることです。基本的な栄養知識をもっておけば、キャットフードで飼い猫の癌の発生や増殖抑制が期待できます。
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猫が下痢をする原因をまとめています。また動物病院で原因が特定できない場合のおすすめの療法食を紹介しています。下痢は猫の体の異常を知らせる緊急サインなのでしっかりと対応しましょう。
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猫が食物アレルギーを発症する原因を解説し、アレルギー対策できるキャットフードの選び方、おすすめブランドを紹介します。ただし、生体によりアレルギー物質は異なるので、反応が出たらまずは病院へ連れていくことが大切です。
血便
猫の血便は大きな病気が影響していることもあるため、発見したら診察は必須です。しかし中にはキャットフードが関係している場合もあり、食事内容を見直すことで改善できるかもしれません。血便の知識を深めたうえで、キャットフードでケアする方法を把握しましょう。