猫と馬肉はウマが合う?馬肉フードのメリット&デメリット

栄養価が高くヘルシーな馬肉は、健康志向の高まりから年々需要を伸ばしています。馬刺しやユッケなど、生で食べるイメージが強い食材ですが、近頃ではペットの手作りごはんに馬肉を取り入れるケースも多いようです。

 

犬に食べさせるのは何となく分かるのですが、猫にも食べさせていいものかちょっと迷いますよね。猫にとって馬肉はどのような効果があるのでしょうか?キャットフードの代わに食べさせても問題ないのでしょうか?

 

そんな気になる馬肉の話を、栄養面や注意点などを絡めながら見ていきたいと思います。

 

 

栄養満載の馬肉で馬力アップ

馬肉は疲労回復や滋養強壮効果のある食材として親しまれてきました。とくに古くから馬肉を食べる文化のあるフランスでは、病人に積極的に食べるよう勧める医者も多いそうです。

 

他の畜肉と比べてカルシウムや鉄分は3?4倍、ビタミン類の含有量は豚肉の3倍、牛肉の20倍とも言われており、カロリーの低さとタンパク質の多さにおいては肉類トップクラスを誇ります。

 

オメガ6やオメガ3などもたっぷり含まれていて、脂質のおよそ60%が必須脂肪酸というのも注目すべきポイントと言えます。さらに甘味の元となるグリコーゲンも非常に多く、肝機能を活発にしてエネルギー源となる働きもあります。

 

馬は充分に走り回れる環境でなければ健康に育たないため、成長促進剤や抗生剤を投与して過密状態で飼育することができません。そのため大量生産には不向きです。また反芻動物と比べて大腸菌やカンピロバクターなどの菌の発生率が低く、解体時に内臓液が肉の部位を汚染しにくい構造になっていることから、生食の肉の中で最も安全性が高いとされています。

 

 

馬肉を与えるときの3つの注意点

栄養価が高く低カロリーとなれば是非取り入れておきたいところですが、馬肉を与える際に注意すべきことが3つあります。

 

@寄生虫は馬肉にも感染する

馬は体温が高いため寄生虫がつきにくいという意見もありますが、馬の平熱は37?38度で、牛や豚と大差はありません。41?42度と体温が高い鶏にも寄生虫はいます。ザルコシスティス・フェアリーという寄生虫は馬と犬に寄生し、人間が口にしたときは食後4?8時間で下痢や嘔吐といった中毒症状を起こします。重症化することはないそうですが、加熱や冷凍処理で予防することができます。

 

Aアレルギーの可能性はゼロではない

厚生労働省から発表されているアレルギー指定当該品目にないため、馬肉はアレルギーになりにくいとされていますが、これにも注意が必要です。多くの検査機関が馬タンパクを検査項目に入れていないという背景も関係しているでしょう。確かに馬肉自体はアレルゲンではありませんが、仮性アレルゲンとなり、鮮度や体調によってはアレルギーと似た症状を起こすことがあります。また同じものを食べ続けることでもアレルギーの誘因となります。

 

B栄養学の予備知識が必要

馬肉に含まれるタンパク質は少量で効率良く代謝されますが、使われなかった分は中性脂肪となり、肥満の原因だけでなく糖尿病や呼吸器不全、心臓への負担になります。低カロリーだからと言ってあげすぎは禁物です。オヤツ程度なら問題ありませんが、キャットフードと常時併用するとタンパク質過多になります。

 

 

またタンパク質を吸収するためには酵素が不可欠ですが、馬肉だけでは補えないためサプリを使わなければなりません。シニアや投薬治療中の猫は酵素の生産能力も低下しており、かえって消化不良や免疫力低下を招くことになる可能性もあります。猫の栄養学に関して何の予習もなく手作りごはんに挑戦することは、大変危険な行為であると覚えておいてください。

 

 

馬肉パワーをキャットフードでお手軽に!

馬肉を主原料としたキャットフードなら手軽に取り入れることができます。通信販売でも手に入る3つのお勧め商品をご紹介します。

 

@EQUILIBRIA 馬肉&ハーブ

全年齢対象のウェット缶です。総合栄養食ではなく一般食のため主食にはできませんが、時々食べさせるオヤツとしてはお勧めです。人間用と同等の上質な馬肉を使用しており、スープが多めのペースト状になっています。配合されているハーブのバレリアンはストレスやリラックスに、レモングラスは抗菌作用や消化促進に効果的とされています。

 

尚、成分が凝縮されているハーブの精油は解毒できずに中毒症状を起こしてしまうため、絶対に与えたり嗅がせたりしないでください。またバレリアンは肝臓で分解されるため、肝機能が低下している場合は控えた方がいいですね。スープの塩分が強めなので、気になる場合はペースト部分だけを与えましょう。

 

  • 原材料
  • 馬肉(90%以上)、ビタミン及びミネラル、コラーゲン(魚由来)、タウリン、ハーブ(バレリアン、レモンバーム)、トリプトファン、ビタミンE配合

  • 成分
  • 水分81%、粗タンパク質6.5%、粗繊維0.5%、粗脂肪(飽和脂肪酸)4.5%、粗灰分2%、ナトリウム0.33%、カルシウム0.63%、マグネシウム0.04%、リン0.44%、タウリン0.05%、ビタミンA 0.220IU、ビタミンD3 150IU、ビタミンE 11mg/kg

  • カロリー
  • 64.5kcal / 100g

  • 内容量
  • 85g

  • 原産国
  • イタリア

 

AHerrmann ビオ クリエイティブ ミックス ピュア馬肉

製造元であるヘルマンは材料となる動物の健康を重視し、すべての動物に対して尊敬の念を持つことをコンセプトとしています。そのため馬の飼育方法にも細心の注意を払い、自然の中で健康的に育った有機の馬肉のみを使用しています。

 

肉だけでなく内臓や骨まで使用した馬肉100%の犬猫兼用のウェットフードです。一般食にあたるため、体調や好みに合わせて野菜やオイルを加える必要があります。水分多めでほぐしやすくなっており、馬肉の旨味と栄養を丸ごと味わうことができます。余計なものが一切入っておらず、尚かつ生肉よりも扱いやすいので、馬肉を初めて与える人にとくにお勧めです。

 

  • 原材料
  • 馬肉

  • 成分
  • 水分75.23%、タンパク質12.20%、脂質10.5%、繊維2.1%、灰分0.52%

  • カロリー
  • 167.3kcal / 100g

  • 内容量
  • 200g

  • 原産国
  • ドイツ

 

BBARF JAPAN BONE ホース(猫用)

馬肉だけでなく内臓、骨、発酵野菜、さらにハーブやヨーグルトなどの食材を配合しているのが特徴です。獲物の内臓に入っている半消化の野菜や果物を再現しており、非加熱のローフードには珍しい総合栄養食となっています。冷凍された状態で届き、冷蔵庫で低温解凍して与えます。水分多めのペースト状になるので離乳食から介護職まで幅広く利用でき、約60%が肉でつくられているため嗜好性も高いです。

 

猫にとって危険とされている柑橘系の「レモン」が気になるところですが、メーカーに問い合せたところ、発酵の過程で分解されてしまうため問題はないようです。またユリ科の「ナルコユリ」については中毒症状を起こす量は使われておらず、高麗人参に匹敵するほどの滋養強壮効果を得るために用いているそうです。あまり目にすることのない「発酵貝化石」は、その名の通り化石化した貝のカルシウムで、発酵させることでさらに吸収力を高める効果があります。

 

  • 原材料
  • 馬肉、鶏骨、牛肝臓、牛心臓、牛腎臓、ヨーグルト、フィッシュオイル、発酵野菜(カブ・キャベツ・キュウリ・コマツナ・ダイコン・トマト・ニンジン・パセリ・ブロッコリー・ホウレンソウ・モヤシ・レンコン)、発酵果実(パイナップル・リンゴ・レモン・パパイヤ・ブルーベリー・ブラックベリー・ハックルベリー・ボイセンベリー・ブラックカラント)、ハーブ(アカザ・アカメガシワ・アマチャヅル・イチョウ葉・ウコギ・ターメリック・エゾコウギ・エビスグサ・オオバコ葉・オトギリソウ・カキドオシ・カワラケツメイ・カンゾウ・キダチアロエ・クコ・クマザサ・シナモン・コナラ・ニンドウ・スギナ・ダンデライオン・ツチアケビ・ツユクサ・ツルナ・ドクダミ・ナルコユリ・ナンテン葉・ハトムギ・ハブソウ・モクテンリョウ・マツ葉・ヨモギ)、昆布、発酵貝化石、ブドウ糖、クロレラ

  • 成分
  • 水分78.2%以上、粗タンパク質13%以上、粗脂肪4.1%以上、粗繊維0.1%以下、粗灰分3.2%以下、カルシウムDM3.1%、リンDM2.3%以上(カルシウム/リン比率1:0.7)

  • カロリー
  • 93kcal以上 / 100g

  • 内容量
  • 110g

  • 原産国
  • 日本

 

 

体質に合えば優れた栄養源

中医学の観点から見たとき、馬肉は肉の中で最も体を冷やすとされ、熱を取るために使われる食材になります。もともと体温が高い健康的な猫には良いかもしれませんが、体があまり丈夫でない猫やシニア猫には合わない可能性もあります。

 

便秘や皮膚病の悪化、目やにが酷くなるなど、馬肉を与えてから何かしら変化があれば、それは内臓がきちんと機能できていない危険信号です。今は命に関わることはなくても、将来的にトラブルに発展するかもしれません。体調や個体差によって馬肉との相性は異なります。初めて与えるときはとくに注意して愛猫の様子を見てください。

 

また他の肉や魚もローテーションで食べさせておくことも大切です。食材単品で見たときの栄養バランスは悪く、馬肉だけでは完全に栄養を補うことはできません。これだけを与えていれば大丈夫、というような完全食はこの世に存在しないのです。さらに災害時のことを考えれば、ドライフードや缶詰なども食べられるようにしておくべきでしょう。

 

とは言え、猫にとって馬肉は栄養価も高く美味しい食材です。体質に合いさえすれば、良質のタンパク質や鉄分を効率的に摂取するには最適でしょう。例えば暑い夏の季節にだけ与えたり、加熱して食べさせるなどの工夫で活用するのも一つの方法です。酵素などを摂るには生食が一番良いですが、すべての栄養が破壊されるわけでもありませんし、火を通した方が体に優しいこともあります。すべては愛猫の体調を基準にして、馬肉を上手に活用してみてください。

 



にゃん事典トップページへのリンク

関連ページ

副産物
キャットフードに含まれる副産物は人間が食べられない骨や内臓などです。ミールやエキスなどは羽、毛、皮、くちばちし等をすりつぶしたり、粉末状にしてあります。全てが危険という訳ではありませんが、原材料はしっかり確認することが愛猫の健康に大事です。
増粘多糖類
増粘多糖類は食品の粘り気を増すための添加物で、ウェットフードに多く含まれています。天然成分で作られているものは健康被害がないと考えて問題ありませんが、人工的に作っているメーカーもあるので原材料チェックは大事です。
リン
猫がキャットフードでリンを過剰に摂取すると腎臓病(腎不全)になるリスクが高まります。またカルシウムとのバランスが崩れることで尿路結石になる可能性もあります。しかしリンは必要な成分なので、バランスのよいキャットフード選びが大事です。
ナトリウム
猫にとって塩分は大切な栄養源ですが、ナトリウムのとりすぎは腎臓病や高血圧などのリスクがあります。ナトリウム不足になると食欲不振や発育の遅れなどがあります。1日の塩分の量を適切に守ることで健康維持ができます。
タウリン
キャットフードに含まれるタウリンは猫に必要不可欠な成分です。猫はタウリンを体内で生成できないのでキャットフードから摂取しなければなりません。タウリンが足りないと様々な病気を併発するので注意が必要です。
粗灰分と粗繊維
キャットフードの保証分析値にある粗灰分と粗繊維について解説します。祖灰分は食品を燃やしたときに灰として残ったミネラル分のことです。粗繊維は酸とアルカリで抽出後に残った不溶性食物繊維のことで、便を増やして固くする働きがあります。
エトキシキン
キャットフードに含まれるエトキシキンは猫にとって危険な添加物です。ペットの食糧への添加は許可されているものの、犬や猫の癌の一因になっている可能性があります。エトキシキンが添加されていない安全なキャットフードを飼い猫に与えることをおすすめします。
ゼオライト
キャットフードに含まれるゼオライトの効果と、ゼオライトが配合されているキャットフードの紹介をしています。ゼオライトは食品添加物として認可されています。猫用としては腎臓ケアとして療法食に使用されています。副作用はありませんが、与えすぎは禁物です。
トウモロコシ
トウモロコシは安価で満腹感が得られるのでキャットフードに含まれることが多いです。コーングルテンなども同じです。トウモロコシは穀物アレルギー、下痢や嘔吐の原因になる可能性があるので、飼い猫の状況をよく考えてキャットフードを与えることが大事です。
ラム肉
ラム肉栄養バランスが良く、脂肪燃焼や脂肪燃焼や抗酸化作用があります。そのためラム肉を主原材料としたキャットフードは肥満気味の猫にお勧めです。ただ一般的なキャットフードよりも高額になります。
乳酸菌
乳酸菌が猫の慢性腎不全や腎臓病に効果的とされるメカニズムを解説します。また乳酸菌配合のキャットフードからおすすめのブランドを紹介します。
野菜
猫に食べさせるキャットフードと野菜の関係を解説しています。猫は肉食なので野菜を食べる必要はありません。逆に下痢になったり、危険な植物もあります。基本的には猫に総合栄養食を与えていれば大丈夫です。
肉と魚どっちが好き?
猫は魚が好きというイメージがありますが、本来は陸上に生息する肉食動物なので肉を食べる必要があります。肉と魚の栄養素をいいとこどりしたおすすめのキャットフードを紹介するほか、肉を与える際の注意点もまとめました。