キャットフードの添加物でも特に恐ろしいエトキシキンとは

「エトキシキン」は、犬や猫を飼っている人には必ず知っていて欲しい添加物名です。あまり耳馴染みがないかもしれませんが、ペットフードに使用される合成添加物の中でもトップクラスの危険性を孕んでいます。しかも高い安いの値段に関わらず、エトキシキンはあらゆるペットフードに身を潜めている可能性があるのです。

 

身の毛もよだつほど恐ろしいエトキシキン、その正体について迫ってみたいと思います。

 

 

人にはNG、動物はOK!?

酸化防止剤として使われるエトキシキンはダイオキシン系の化学物質で、もともとゴムの生産時に使われていました。強い防腐力があり安価で手に入れやすいため、除草剤や飼料など世界中で幅広く活用されています。

 

毒性が非常に高いため、日本では食品や農薬としての使用を禁止されていますが、家畜や養殖魚の飼料への添加は認可されています。人間用の食べ物にはNGなのに、動物用ならOKということです。

 

家畜や魚の体内に残ったエトキシキンの量も厳しくチェックされており、食材として使われる場合の残留許容量は1ppmです。ppmとは濃度の単位で0.0001%ということになります。水1リットルに対して1mgの濃度、と考えると分かりやすいですね。

 

これに対しドッグフードは75ppm、キャットフードに至っては150ppmと、人間の150倍もの量を添加しても良いとされています。けして犬や猫がエトキシキンに耐性があるわけではりません。単純に深刻な問題として扱われなかっただけの話なのです。

 

 

まさに病気のデパート!

なんでわざわざキャットフードに入れる必要があるの?と不思議に思いますよね。低コストや防腐剤などの意味合いもありますが、じつは輸送中の火災を防止するために使われているのです。「ミートミール」や「4Dミート」と呼ばれる肉類には大量の油脂が含まれており、船内で自然発火する恐れがあるのです。

 

エトキシキンを開発したモンサント社は、アレルギー性皮膚炎を引き起こす可能性と、皮膚や目に炎症を起こす可能性を警告事項として発表しています。さらに取扱い上の注意として、直接触れないこと、吸引しないこと、付着した衣服は作業場から持ち出さないことなど、事細かな指示があります。動物実験では肝臓、腎臓、生殖器の障害や、発がん性も認められています。

 

に罹る犬や猫は、年々増加傾向にあります。長寿命化も理由として挙げられるかもしれませんが、エトキシキンなどの合成保存料がその一端に関わっているといっても過言ではないでしょう。

 

 

いい加減なキャットフード選びは卒業しよう

キャットフードの一番厄介な点は、原材料レベルで添加されたものに関しての表示義務がないところです。パッケージに記載がなくても、エトキシキンが含まれている可能性は充分あります。誰もが知ってるような大手メーカーの製品であっても、当たり前のように混入されているのが現実です。

 

海外製の安いキャットフードには必ずエトキシキンが使われているので、まずそういったものを避けるといいでしょう。確実性を求めるなら「エトキシキン不使用」を表示しているフードを選ぶしかありません。選択肢はまだまだ少ないですが、安全性を明言しているフードも販売されているので、無添加で安全なキャットフードランキングなどで探してみることをおススメします。

 

どこまでも闇の深いペットフード業界ですが、「知ること」は愛する我が猫の健康を守ることに繋がります。飼い猫は自分で食べるものを選択できません。なんとなくキャットフードを選んでいた人は、今与えているキャットフードの原材料と成分について少しずつ知識を増やしてみてください。体の基礎をつくるものだからこそ、あなた自身の見極める目を養っていくことが大切なのです。

 



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副産物
キャットフードに含まれる副産物は人間が食べられない骨や内臓などです。ミールやエキスなどは羽、毛、皮、くちばちし等をすりつぶしたり、粉末状にしてあります。全てが危険という訳ではありませんが、原材料はしっかり確認することが愛猫の健康に大事です。
増粘多糖類
増粘多糖類は食品の粘り気を増すための添加物で、ウェットフードに多く含まれています。天然成分で作られているものは健康被害がないと考えて問題ありませんが、人工的に作っているメーカーもあるので原材料チェックは大事です。
リン
猫がキャットフードでリンを過剰に摂取すると腎臓病(腎不全)になるリスクが高まります。またカルシウムとのバランスが崩れることで尿路結石になる可能性もあります。しかしリンは必要な成分なので、バランスのよいキャットフード選びが大事です。
ナトリウム
猫にとって塩分は大切な栄養源ですが、ナトリウムのとりすぎは腎臓病や高血圧などのリスクがあります。ナトリウム不足になると食欲不振や発育の遅れなどがあります。1日の塩分の量を適切に守ることで健康維持ができます。
タウリン
キャットフードに含まれるタウリンは猫に必要不可欠な成分です。猫はタウリンを体内で生成できないのでキャットフードから摂取しなければなりません。タウリンが足りないと様々な病気を併発するので注意が必要です。
粗灰分と粗繊維
キャットフードの保証分析値にある粗灰分と粗繊維について解説します。祖灰分は食品を燃やしたときに灰として残ったミネラル分のことです。粗繊維は酸とアルカリで抽出後に残った不溶性食物繊維のことで、便を増やして固くする働きがあります。
ゼオライト
キャットフードに含まれるゼオライトの効果と、ゼオライトが配合されているキャットフードの紹介をしています。ゼオライトは食品添加物として認可されています。猫用としては腎臓ケアとして療法食に使用されています。副作用はありませんが、与えすぎは禁物です。
トウモロコシ
トウモロコシは安価で満腹感が得られるのでキャットフードに含まれることが多いです。コーングルテンなども同じです。トウモロコシは穀物アレルギー、下痢や嘔吐の原因になる可能性があるので、飼い猫の状況をよく考えてキャットフードを与えることが大事です。
ラム肉
ラム肉栄養バランスが良く、脂肪燃焼や脂肪燃焼や抗酸化作用があります。そのためラム肉を主原材料としたキャットフードは肥満気味の猫にお勧めです。ただ一般的なキャットフードよりも高額になります。
馬肉
馬肉はカルシウム、鉄分、ビタミン類が豊富に含まれており、低カロリー高たんぱく質なので猫の餌として優れた食材です。通販で購入できる馬肉入りのおすすめキャットフードや、飼い猫に与える際の注意点をまとめました。
乳酸菌
乳酸菌が猫の慢性腎不全や腎臓病に効果的とされるメカニズムを解説します。また乳酸菌配合のキャットフードからおすすめのブランドを紹介します。
野菜
猫に食べさせるキャットフードと野菜の関係を解説しています。猫は肉食なので野菜を食べる必要はありません。逆に下痢になったり、危険な植物もあります。基本的には猫に総合栄養食を与えていれば大丈夫です。
肉と魚どっちが好き?
猫は魚が好きというイメージがありますが、本来は陸上に生息する肉食動物なので肉を食べる必要があります。肉と魚の栄養素をいいとこどりしたおすすめのキャットフードを紹介するほか、肉を与える際の注意点もまとめました。